地域住民の方々から、スケートパーク建設の要望を受けておられる地方公共団体の皆様や、地方公共団体からスケートパーク設計の受託を受けている、又は受けようとしているコンサル会社様や設計会社の皆様、日本各地で活動していらっしゃる各種ストリートスポーツ利用者団体および愛好者団体の皆様へ、これからもより良いスケートパークが日本にできるように願い、僭越ながら下記の通りご提案いたします。

スケートパーク基本設計指針を定めるための21項目

スケートパークには、さまざまな種類の設備があり、初心者から上級者まで楽しめるように造ることが出来ます。スケートパークの設備は、スケートパークの目的や利用者のレベルに合わせて選ぶことが大切です。当協会では、今後も国内で増えることが予想されている公共のストリートスポーツ利用可能場所について、これまでの経験と蓄積した情報(データ)から、「スケートパークの基本設計指針」を決定するために必要な検討事項を下記の通り定めます。

  1. 基本(構想)コンセプトやターゲット設定に対するパーク・ゾーニングの検討
  2. 利用者、非利用者、設置者、管理者間で情報共有する場合の手法を検討
  3. 一度に利用できる人の人数を考慮した設備の検討
  4. パーク内で待機(休憩・休息)できる人の人数を考慮した設備の検討
  5. 目標とする年間利用者数を達成するために必要な設備を検討
  6. 有料/無料/管理のしやすさなど、先々の運営管理を考慮した動線および設備の検討
  7. 完成後に大幅な補修費や改修費が発生するまでの期間予測と耐用年数の検討
  8. 周辺環境に違和感を与えないようパークまでの経路および周囲の動線を検討
  9. 周辺と調和のとれた美しさやロケーションを補完できる全体像と外観・景観の検討
  10. 降雨、降雪時の利用を考慮した雨除けや屋根の検討
  11. 地域利用者の要望や傾向に沿ったパーク形状、設備の検討
  12. 将来性を考慮し、全体として初心者育成のしやすいパークに向けての検討
  13. 非利用者が不安や心配を抱くことのないパーク外観、形状、設備の検討
  14. 地域経済効果として、集客力を高めるオンリーワン・セクション配置の検討
  15. ターゲットとなる実際に滑る人や乗る人が様々な意味で楽しめる形状であるか検討
  16. 施工について、理にかなった施工が出来るかどうかの検討
  17. 様々な規模の大会やイベントを想定している場合、出場者(控え場所含む)、審査員、観客、放送機器などの配置の検討
  18. スクールや練習会などを想定している場合、そのエリア設定の検討
  19. 初心者・中級者・上級者・プロが同時に利用する場合、他の利用者と交錯/衝突など危険回避のための動線(ライン取りの可変性)を検討
  20. パーク内部および外部に対して、最大限の安全性を担保するための配慮を検討
  21. 安全面とバランスさせたエキセントリックな面白さを、パーク全体として表現できるかを検討

スケートーパークを設計する場合、最低でも上記の21項目を検討することで、間違いや失敗のない公共スケートパークの設計を行うことが出来ます。

NPO法人 日本スケートパーク協会
2023年6月5日

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